岐阜弁一覧|日常会話・面白い方言から地域差までまるっと解説

地域別!日本の方言図鑑

岐阜県で話される「岐阜弁」。どこか懐かしく、温かみのある響きが魅力的です。映画『君の名は。』やテレビドラマ『半分、青い。』で登場人物が話していたことで、その独特なかわいらしさに注目した方も多いのではないでしょうか。 岐阜弁と一言でいっても、実は地域によって言葉に違いがあり、知れば知るほど奥深い世界が広がっています。

この記事では、そんな魅力あふれる岐阜弁を徹底解説します。日常会話で使える単語やフレーズをまとめた「岐阜弁一覧」はもちろん、意味を知ると面白いユニークな表現、思わずキュンとするかわいい告白の言葉まで、具体的な例文を交えながらご紹介します。 これを読めば、あなたも岐阜弁の虜になること間違いなし。ぜひ最後まで読んで、岐阜弁の温かい世界に触れてみてください。

まずは知りたい!岐阜弁一覧【基本の単語編】

岐阜弁を学ぶなら、まずは基本的な単語から押さえていきましょう。日常会話で頻繁に使われる名詞や動詞、感情を表す言葉などを知っておくと、岐阜県民の会話がより理解しやすくなります。ここでは、品詞別に基本的な岐阜弁を一覧でご紹介します。

名詞・代名詞

日常の会話に欠かせない、人や物を指す言葉にも岐阜弁ならではの表現があります。例えば、一人称の「私」を「わっち」と言うことがあり、男女問わず使われる親しみやすい響きが特徴です。 自転車のことを「ケッタ」と呼ぶのは、岐阜県だけでなく愛知県など他の東海地方でも聞かれる表現で、「蹴りたくる」という言葉から来ていると言われています。 また、鳥肌のことを「さぶいぼ」と言ったり、模造紙を「B紙(びーし)」、画鋲を「ガバリ」と呼んだりするのは、岐阜弁に馴染みがないと何のことか分からないかもしれません。 このように、標準語とは異なるユニークな名詞が岐阜弁にはたくさん存在します。

・わっち:私
・おまはん:あなた
・けった:自転車
・さぶいぼ:鳥肌
・B紙(びーし):模造紙
・ガバリ:画鋲
・おちょんぼ:結んだ髪
・ほんや:本家
・あらや:分家

動詞

動作を表す動詞にも、岐阜弁特有の面白い言い回しが見られます。代表的なものに「こわす」があります。これは物を破壊するという意味ではなく、「両替する」「崩す」という意味で使われます。 銀行で「お金をこわしといて」と言われたら、細かいお金に両替してほしいという意味になります。 また、鍵などを「かう」は「かける」、ごみを「ほかる」は「捨てる」、机などを「つる」は「運ぶ」という意味で使われます。 このように、標準語と同じ言葉でも意味が全く異なる場合があるのが、方言の面白いところです。意味を知っていると、地元の人との会話がよりスムーズになるでしょう。

・かう:鍵などをかける
・こわす:両替する、崩す
・ほかる:捨てる
・つる:運ぶ、移動させる
・あける:こぼす
・いげる:いじける、すねる
・おそがう:怖がる
・まわしする:準備する

形容詞・副詞

感情や物事の状態を表す形容詞や副詞にも、岐阜弁ならではの温かみや面白さが感じられます。「ぬくとい」は「温かい」という意味で、その響きからも温もりが伝わってくるようです。 一方で、「えらい」は標準語の「偉い」とは違い、「疲れた」「つらい」といった意味で使われます。 「今日の仕事はえらかった」と言えば、「今日の仕事は疲れた」という意味になります。 他にも、「とても」を意味する「でら」や「どえりゃー」、食べ物が「まずい」ことを「あじない」と言うなど、ユニークな表現が豊富です。

・ぬくとい:温かい
・えらい:疲れた、しんどい
・あじない:まずい
・おぼこい:幼い、子供っぽい
・けなるい:うらやましい
・おそがい:恐ろしい
・ちんちん:とても熱い
・でら、どえりゃー:とても、すごい

語尾・助詞

岐阜弁の最も特徴的な部分ともいえるのが、文末に使われる語尾や言葉をつなぐ助詞です。語尾に「~や」「~やよ」「~やお」をつけるのが代表的で、「~だよ」という意味になります。 例えば、「そうだよ」は「そうや」「そうやよ」といった表現になり、柔らかく親しみやすい印象を与えます。 また、「~だよね」は「~やおね」となります。 接続助詞では、「~だから」という意味で「~だもんで」や「~もんで」がよく使われます。 「雨が降ったもんで、道がぬれとる」のように、理由を説明する際に自然に登場します。 こうした語尾や助詞を使いこなせると、一気に岐阜弁らしさが増すでしょう。

・~や、~やよ、~やお:~だよ
・~やおね:~だよね
・~もんで、だもんで:~だから、~なので
・~しぃ、~しな:~しなよ(軽い命令)
・~まいか:~しようか(誘い)
・~なんやって:~なの
・~わ:文末につく終助詞

もっとディープな岐阜弁一覧【日常会話フレーズ編】

単語だけでなく、実際の会話で使えるフレーズを知ることで、岐阜弁の魅力はさらに深まります。ここでは、あいさつや感情表現、お店でのやり取りなど、具体的なシチュエーションで使える岐阜弁のフレーズをご紹介します。

あいさつで使う岐阜弁

岐阜弁でのあいさつは、相手との距離をぐっと縮めてくれる温かさがあります。久しぶりに会った人にかける言葉として有名なのが「やっとかめやな!」です。 これは「久しぶりだね!」という意味で、再会の喜びを親しみを込めて伝えることができる代表的なフレーズです。 別れ際には、「じゃあね」や「それでは」という意味で「ほんなら」が使われます。 「ほんなら、また明日!」のように使うと、柔らかく、ほっこりとした雰囲気になります。 日常的なあいさつにこうした岐阜弁を取り入れるだけで、会話がより温かいものになるでしょう。

・やっとかめやな!:久しぶりだね!
・ほんなら、また:じゃあ、またね
・ようこそおいでんさった:よくいらっしゃいました
・また寄ってくんせい:また寄ってくださいね

感情を表現する岐阜弁

喜び、驚き、共感など、さまざまな感情を表すフレーズも岐阜弁には豊富です。例えば、うらやましい時には「それ、けなるいわぁ」と言います。 新しい持ち物などを褒められた時に、こんな風に返せたら素敵ですね。誰かに同調したり、納得したりした時には「だしかん」という相槌が使われることがあります。「確かに」「その通り」といったニュアンスです。驚いた時には、「どえりゃーことやな!」(大変なことだね!)というフレーズも耳にするかもしれません。 このように感情をストレートに、かつ温かみをもって表現できるのが岐阜弁の魅力の一つです。

・それ、けなるいわぁ:それ、うらやましいなあ
・だしかん:その通り、確かに
・どえりゃーこっちゃ:大変なことだ
・ほんま、えらいわ:本当に疲れたよ
・さぶいぼ立ったわ:鳥肌が立ったよ
・たわけ!:ばか!

依頼・質問で使う岐阜弁

誰かにお願いごとをしたり、質問したりする場面でも、岐阜弁ならではの表現が光ります。例えば、年配の方がお店などで「これ、やったけどえか?」と尋ねることがあります。 これは「これでよろしいですか?」という意味で、確認を求める丁寧な言い方です。 また、何かをしてもらいたい時には、語尾に「~してくれんかな」「~してちょーだい」といった表現が使われます。相手に何かを勧めるときには、「~してみぃやぁ」という言い方もあり、「高山ラーメン美味しいから食べてみぃやぁ」のように使います。 これらの表現は、標準語よりも少し柔らかく、親しみやすい印象を与えるかもしれません。

・これ、やったけどえか?:これでよろしいですか?
・机つるの手伝ってくれん?:机を運ぶの手伝ってくれない?
・ちょっとこれ、ほっといて:ちょっとこれを捨てておいて
・お金こわしてほしいんやけど:お金を両替してほしいんだけど
・食べてみぃやぁ:食べてみたら?

岐阜弁一覧に見る特徴とは?美濃弁と飛騨弁の違いも解説

岐阜県内で話される岐阜弁ですが、実は一枚岩ではありません。地理的な要因から、県内は大きく南部の「美濃地方」と北部の「飛騨地方」に分かれており、それぞれの地域で話される方言にも違いが見られます。 ここでは、岐阜弁全体のアクセントや文法の特徴とともに、美濃弁と飛騨弁の具体的な違いについて解説します。

岐阜弁の全体的な特徴(アクセント・文法など)

岐阜県は日本のほぼ中央に位置し、東日本と西日本の文化が交わる場所であるため、方言もその影響を色濃く受けています。 文法的には関西弁など西日本方言に近い要素が多く見られますが、アクセントは東京式アクセントに分類され、東日本方言の特徴を持っています。

文法的な特徴として最も有名なのが、語尾に「~や」「~やよ」「~やお」などを使う点です。 これは断定や念押しを表し、関西弁の「~やん」や「~やな」とは少し違う、岐阜弁独特の柔らかい響きを生み出しています。 また、理由を表す「~(だ)もんで」や、進行形・結果状態を表す「~しとる」の使用も特徴的です。 否定の際には「~ん」の他に「~へん」という形も使われることがあります。 このように、様々な地方の言葉の要素が混じり合っている点が、岐阜弁の独自性を形作っています。

美濃地方で使われる「美濃弁」の特徴

岐阜県の南部、名古屋に近い美濃地方で話されるのが「美濃弁」です。 美濃弁は、さらに西濃、中濃、東濃といった地域で細かな違いが見られます。 全体的な特徴としては、名古屋弁の影響を受けている点が挙げられます。 例えば、「とても熱い」ことを「ちんちこちん」と言ったり、語尾に「~だがや」を付けたりする点は名古屋弁と共通しています。

アクセントは東京式が基本ですが、西端の不破郡など一部地域では、関西弁に近い京阪式アクセントやその中間的な垂井式アクセントが使われることもあり、西日本からの影響の強さがうかがえます。 文法面では、否定の表現で「~せん」やその変化形である「~へん」が広く使われるのが特徴です。 語彙に関しても、自転車を「ケッタ」と呼ぶなど、愛知県と共通する言葉が多く見られます。 このように、美濃弁は関西と名古屋、両方の影響を受けながら独自の発展を遂げた方言といえるでしょう。

飛騨地方で使われる「飛騨弁」の特徴

岐阜県の北部、山々に囲まれた飛騨地方で話されているのが「飛騨弁」です。 大ヒット映画『君の名は。』の舞台になったことで、その方言に注目が集まりました。 飛騨弁は、美濃弁とはまた違った特徴を持っています。歴史的に富山など北陸地方との交流があったことも、言葉に影響を与えていると考えられています。

飛騨弁の最大の特徴ともいえるのが、文末に付けられる「~やさ」や「~やうぇ」といった独特の言い回しです。 これらが、おっとりとして温かみのある印象を与えます。 アクセントは美濃弁と同じく東京式アクセントですが、「油」「涙」といった特定の単語の発音が共通語と異なるなど、細かな違いがあります。 また、アスペクト(動作のどの局面を表すか)の表現において、「~よる(持続)」と「~とる(結果・持続)」を使い分ける傾向が見られるのも特徴の一つです。 同じ岐阜県内でも、山を越えると言葉が少し変わる、その地域性が飛騨弁の大きな魅力です。

こんなにあるの?面白い岐阜弁・かわいい岐阜弁一覧

岐阜弁には、意味を知るとクスッと笑える面白い表現や、響きがかわいらしい言葉がたくさんあります。地元の人にとっては当たり前の言葉でも、他の地域の人からすると新鮮に聞こえるかもしれません。ここでは、そんなユニークな岐阜弁をいくつかピックアップしてご紹介します。

思わず笑ってしまう面白い岐阜弁

標準語の感覚で聞くと、意味を誤解してしまいそうな面白い岐阜弁があります。その代表格が「お金をこわす」です。 これは決して紙幣を破ったり硬貨を壊したりするのではなく、「お金を両替する」という意味で使われる言葉です。 銀行の窓口で真顔で言われると、初めて聞いた人はびっくりしてしまうかもしれません。 また、「机をつる」という表現もユニークです。 これは机を吊り上げるのではなく、「机を運ぶ」という意味で使われます。運動会の準備などで「先生、机つるの手伝ってー!」といった会話が交わされます。他にも、ツッコミとして使われる「あかすか(良いわけがないだろう)」や、暑いお茶を指して「このお茶、でらちんちんや」(このお茶、すごく熱いよ)と言うなど、知れば知るほど面白い表現に出会えます。

・お金をこわす:お金を両替する
・机をつる:机を運ぶ
・あかすか:良いわけがないだろう
・ちんちん:とても熱い
・ガバリ:画鋲
・B紙(びーし):模造紙

響きがかわいい岐阜弁

岐阜弁の魅力の一つは、その柔らかくかわいらしい響きにあります。 特に語尾に付けられる「~やよ」「~やお」は、言葉全体を優しい雰囲気にしてくれます。 「好きやよ」と言われると、ストレートな「好きだ」よりも温かみと愛らしさが感じられるのではないでしょうか。また、「ぬくとい(温かい)」や「おぼこい(幼い、あどけない)」といった言葉も、その音の響きから情景が浮かぶようなかわいさがあります。 髪を結ぶことを「おちょんぼする」と言うのも、非常に愛らしい表現です。 「ひとつ結び」を「ひとちょん」、「ふたつ結び」を「ふたちょん」と言ったりもするそうです。 このような言葉が日常的に使われているのが、岐阜弁の素敵なところです。

・~やよ、~やお:~だよ
・ぬくとい:温かい
・おぼこい:幼い、あどけない
・おちょんぼ:結んだ髪
・けなるい:うらやましい
・しゃんとする:きちんとする
・わっち:私

意味を知ると驚く岐阜弁

一見しただけでは意味の想像がつかない、驚きの岐阜弁も存在します。「やっとかめ」は、久しぶりに会った時の挨拶「久しぶり」を意味する言葉ですが、漢字で「八十日目」と書くこともあるそうです。 それだけ長い間会っていなかった、というニュアンスが込められているのかもしれません。「たわけ」は「馬鹿」という意味の言葉ですが、元々は「田分け」と書き、田んぼを分けて相続させることで土地が細かくなり家が衰退することから来ているという説があります。 また、料理が「まずい」ことを「あじない」と表現するのも面白い点です。 「味が無い」から転じて「まずい」という意味になったと推測されていますが、直接的でない分、少しだけオブラートに包んだ言い方に聞こえるかもしれません。

・やっとかめ:久しぶり
・たわけ:馬鹿
・あじない:まずい
・ほかる:捨てる
・往生こいた:困った、難儀した
・ようさり:夜

岐阜弁一覧を使って告白!胸キュンフレーズ集

温かみとかわいらしさが魅力の岐阜弁は、大切な気持ちを伝える告白の場面でも効果を発揮します。 標準語で伝えるのとは一味違った、心に残る告白ができるかもしれません。ここでは、岐阜弁を使った胸キュン必至の告白フレーズを、シチュエーション別にご紹介します。

ストレートに伝える告白フレーズ

好きな気持ちを真っ直ぐに伝えたい時、岐阜弁ならではの語尾があなたの背中を押してくれます。「ずっと前から好きなんやよ」や「わっちは、あんたのことが好きやお」といったフレーズは、ストレートでありながらも「~やよ」や「~やお」の響きが強い口調を和らげ、誠実で温かい印象を与えます。 「どの人よりも、あんたのことが好きやよ」という言い方も、素朴ながら力強い愛情が伝わる素敵な言葉です。 少し照れくささはあるかもしれませんが、飾らない言葉だからこそ、相手の心に真っ直ぐ届くはずです。大切な場面で、勇気を出して使ってみてはいかがでしょうか。

・ずっと前から好きなんやよ。
・わっちは、あんたのことが好きやお。
・私、〇〇君のことが好きなんやって。
・どの人よりも、あんたのことが好きやよ。

ちょっと照れながら伝える告白フレーズ

「好き」と直接言うのは恥ずかしいけれど、なんとか気持ちを伝えたい。そんなシャイな方にも岐阜弁はぴったりです。「一緒におる時間、ほんと好きやよ。付き合ってくれん?」というフレーズは、一緒に過ごす時間の楽しさを伝えることで、さりげなく好意を示せます。 デートの帰り際などに言われたら、思わずドキッとしてしまうでしょう。 また、「思い出すたびに、でれぇドキドキしとるんやわ」という言い方も、相手を意識していることが伝わるかわいらしい表現です。 直接的な言葉ではないからこそ、想像力が掻き立てられ、相手もあなたのことを意識し始めるかもしれません。

・一緒におる時間、ほんと好きやよ。付き合ってくれん?
・あんたとおると、でれぇぬくといわぁ。
・思い出すたびに、でれぇドキドキしとるんやわ。
・出会ったときから、ずっと恋しとるんやわ。

デートに誘うときのフレーズ

告白の前に、まずはデートに誘って距離を縮めたい時にも岐阜弁は活躍します。「今度の日曜日、一緒に映画でも行こまいか?」のように、「~しようよ」という意味の「~まいか」を使えば、自然で親しみやすい誘い方になります。 また、「美味しいお店見つけたんやけど、一緒に行かへん?」というように、関西弁に近い「~へん?」を使うのも一つの手です。相手に「YES」と言ってもらいやすい、柔らかい雰囲気を演出できるでしょう。岐阜弁の持つ温かい響きを借りて、勇気を出して一歩踏み出してみてください。

・今度の日曜日、一緒に映画でも行こまいか?
・美味しいお店見つけたんやて。一緒に行ってみん?
・あんたの好きなカフェ、また連れてってほしいな。

まとめ:岐阜弁一覧で魅力を再発見!

今回は、温かみと親しみやすさが魅力の「岐阜弁一覧」を、基本的な単語から面白いフレーズ、地域による違いまで、幅広くご紹介しました。

岐阜弁は、東日本と西日本の言葉が混じり合った独特の特徴を持ち、特に「~やよ」「~やお」といった柔らかな語尾は、聞く人をほっこりとした気持ちにさせてくれます。 また、県南部の「美濃弁」と北部の「飛騨弁」では、使われる言葉やニュアンスに違いがあり、その多様性も岐阜弁の奥深さと言えるでしょう。

「お金をこわす(両替する)」のような面白い表現から、「好きやよ」といったかわいい告白フレーズまで、岐阜弁は日常のコミュニケーションをより豊かで楽しいものにしてくれます。 この記事をきっかけに、ぜひ岐阜弁の世界にさらに深く触れて、その魅力を味わってみてください。

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